計算は速く丁寧にすべし
計算は、速くなければ意味がありません。計算が速ければ、「文章題に時間を使える」と言う面もありますが、なによりも「計算は、速くやった方が間違えが少ない」のです。
よく、「ゆっくりでいいから、丁寧に間違えないように計算しよう」と指導する人がいますが、これはとんでもない間違えです。こういわれた生徒は、「ああ、丁寧にやるには、ゆっくりやればいいのか」と思ってしまいます。
でも、ゆっくり計算すると間違えが減るのでしょうか?
計算間違えは、正しい手順で計算をしない場合と集中力の欠如が原因です。正しい手順で計算をするには、ある程度の筆算が必要です。筆算をする以上時間がかかりますから、ゆっくりやっていたら計算だけで時間がなくなってしまいます。つまり、ゆっくり丁寧に計算しろと言われてもゆっくりやる分だけ正しい手順を省いてしまうことになりがちなのです。
そうして、一番の問題が、「集中力」の問題です。人間の集中力は長続きしません。長くてもせいぜい15分です。人間の脳がそういうメカニズムになっているからです。生徒が集中できる時間はさらに短いと考えなければなりません。それなのに、ゆっくりと計算をしたら集中力は切れてしまいます。
速く計算しようと夢中になって鉛筆を走らせているときは、周りの音も聞こえません。反対にゆっくり計算をしたらどうでしょう。周りの音もちゃんと聞こえるはずです。つまり、それだけ集中できていないと言うことなのです。
ということは、もうお分かりですね。計算力をつけるには、「速く」やることが必要なのです。そして、「速く」「丁寧に」と指導を広げます。速くても丁寧に計算できるように練習することが大切なのです。