クルゼミ式作文指導 01
「本が好きなのに、読解力がないんです」
「算数の応用問題ができなくて困ってます」
いつのころからでしょうか、そういうご相談を受けるようになりました。いずれも、教育に関心のあるお母さんからのご相談です。子供は真面目な子供です。わりと長い時間勉強もします。
また、それと同時に不まじめで勉強をしない子供たちと会話が通じないことも増えてきました。いや、もちろん日常的な会話や、彼らの間で流行っていることは双方で理解できるのですが、やや抽象的な話題になるとからきしです。中学生だったら、この程度の社会的関心は必要だよな、とかちょっと古めの慣用句が通じないのです。
「これは、困ったことになってきているなぁ」
僕は、塾で全教科を教えています。全学年の全教科を教えていますから、言葉が通じないのは大問題なのです。英語も理科も数学も、日本語で教えている以上、日本語がうまく通じないということは教育指導ができにくいということです。塾でこどもに教える楽しみが味わえなくなってしまいそうです。
「何か、対策を考えなければ」
日本語でのやりとりができるためには、まずは国語だと思いました。そこで、国語の指導時間を増やしてみたのです。プリントを使って丁寧に読解するように。漢字の練習時間も増やしました。
しかし、思ったような効果が得られません。プリントの文章をよく読むように言っても、全然読んでいないことが度々です。試しに音読させてみると、つっかえつっかえだったり、変な所で区切ってみたり。つきっきりで指導すれば読みますが、そばについていないときにはまた元に戻ります。
何かいい方法がないのかなぁと、教育関係の書籍を調べたり、検索したり。そうすると、国語の指導で有名なところにはある共通点がありました。そう、作文です。しかし、そのころは作文指導は難しいと思っていました。